虎ノ門ニュース

【髙橋洋一氏・須田慎一郎氏】日米の農産物関税 TPP最大限 交渉で茂木氏けん制【虎ノ門ニュース】

【居島氏導入】
共同通信によりますと、 茂木敏充経済再生担当相は2019年5月28日の閣議後の記者会見で、日米貿易交渉に関し、日本がアメリカの農産物にかける関税の撤廃や引き下げは米国が離脱した環太平洋連携協定(TPP)の内容が最大限と改めて主張しました。2018年9月の日米共同声明ではアメリカも日本のこの立場を「尊重する」としていました。
トランプ大統領がTPPに「縛られない」と述べたことは、TPPから離脱した事実関係を説明しているとの見解を示し、牽制した形です。
また、トランプ大統領が貿易協議の妥結を夏の参院選直後の「8月に発表できるかもしれない」と述べたことについて「迅速に協議を進めたいと期待感を述べたものだ」との見方を示したとの事です。

【高橋氏】
この話はアメリカが焦っているということです。
この話が「今どうなっているのか」と言う質問でよくアメリカ大使館に呼ばれます。
これはどういう事かというと、安倍総理がうまくやっていて、今回のトランプ大統領の訪問も、天皇陛下に謁見があるときにトランプ大統領は貿易交渉の話なんかできないんですよ。
そんなことは事務方も知っているので、事実上ほとんど(貿易交渉を)やっていません。なので、(貿易交渉を)先延ばししているんです。
アメリカはTPPから離脱しました。その離脱したという事が凄く不利なんですよ。
TPPから離脱してしまったので(アメリカの農作物がオーストラリアの農作物に比べて10%高くなって競争力が低下するなど)凄く苦しくなっていて、トランプ大統領も実は(貿易交渉を)やりたいんだけど、天皇陛下に謁見するから、そんなことは言い難いです。そして、天皇陛下に謁見した後、ちょっと会議するとのことですが、その会議の後に拉致被害者との面会を入れているから、はっきり言って会議していないんですよ。だから共同声明を出せないんです。日本にとって何の不利も無いのでそれはそれで良いんです。
共同声明が出せないと言うのは全く不利ではなくて(貿易交渉締結までの)時間を先延ばししているという事で全く(日本にとって)プラスです。
マスコミは経済の話がしたから、共同声明が無いとかこんな話ばかりしていますが、全然たいしたこと無くて、トランプ大統領の方が少し大変なのは実は来年11月に大統領選挙になるので、そうすると(選挙でアピールする成果は)それまでの交渉しかありません。もしも(TPPを基本とする貿易交渉が)ご破算で、関税の表を全て交渉しましょうといったら、関税表と言うのは1000ページくらいあるので、交渉に2~3年掛かってしまうんです。だから、日本が「なんだったらいいよ2~3年かけて交渉しようか」と言うと、アメリカは「いや、それは困る」と言うに決まってるんです。来年の11月までに成果を出さないと困ると言う話になります。
そうすると、結果的にTPPでの交渉をベースに交渉せざる得なくなるんです。それを茂木経済再生担当相が言ってるだけです。こう( TPPの内容が最大限 )言っていますが、これは「全部ご破算で交渉してもいいけど、交渉に2~3年掛かります」と言ってる様なものなんです。
これは逆に言うと、トランプ大統領はとしては、「2~3年と言われても大統領選挙前に交渉できないと困るだろ」ということです。希望として参議院選挙の後とか言っていますけど、希望は希望ですけど、実際問題は今までほとんど交渉していないから、やりようが無いですよ。なので少し長引きます。その前(交渉妥結の前)にちょっとづつ、ちょっとづつ、(農産物の関税に関して)譲歩することになります。農産物の話なんて結構簡単で、交渉(譲歩)したら農産関係の人が文句を言うっていうことなんですが、それは補助金で抑えられるんですよ。これは答えは結構簡単な話なんですけど、トランプ大統領の顔を立てつつどこまでちょっと出すかというレベルの話ですよ。
そういう意味で、答えは決まっているというと、ほとんど交渉していないので何も決まっていないんだけど、短期間に成果を出すとすればTPPベースの交渉をするしかない訳です。
それは、日本が今まで先延ばししたから凄く有利ですね。こんなことを本気で交渉していたら、米中貿易戦争のようなことになっているんですが、現状なっていません。交渉していないから(米中貿易交渉のようなことに)ならないんですよ。そして、トランプ大統領は再選に向けて後ろが切られているから、(アメリカが)かなり妥協しないとうまくまとまらないというレベルになっています。
これは安倍総理の勝ちですよ。

【須田氏】
今、高橋さんの話のかに重要なポイントが二つあります。1つは、アメリカの政治スケジュール・選挙スケジュールの話です。来年の11月に選挙なんですが、(アメリカでは)1年くらい前からもう選挙戦が本格化するんですよ。そうするとそれまで(今年の11月)に結果を出さないとトランプ大統領としては(選挙戦が)きついですね。ところが交渉自体がほとんど進んでいないので、今回の日米首脳会談で何かの決着がつくなんて事は、現実問題として、事務作業として、有り得なかったんですよ。(トランプ大統領は)それ(今回、日米貿易交渉の決着は無理ということ)は理解したんだけど、アメリカ国内向けに何かアピールしておかなければなりません。だから、(日本の参院)選挙後には(交渉を)やってねと言う話です。それを日本のメディアとか野党は何か密約をしたんじゃないかと騒いでいます。

【高橋氏】
密約はないです。もし、密約があれば私は米国大使館に呼ばれません。私に聞いてくると言うことは交渉が進んでなくてやることが無いから聞いてきているんです。どうしたらいいんですかと言うから、そんなことはトランプ大統領が天皇陛下に謁見するんだったらそりゃ(貿易交渉は)無理でしょうと、「天皇陛下に会わせてください」という時に、強烈な玉を投げるなんて事は幾らトランプ大統領だってできないですよ。それ(貿易交渉)は、先延ばしになっているということで、初めてG20後くらいから事実上、交渉スタートじゃないかと思います。それで、11月くらいまでに何か少し(結論か方向性)でれば良いんじゃないのというレベルです。

【須田氏】
それでもう1点なんですけれど、高橋さんの話の中で重要なキーワードが出てきたんです。
それは補助金というキーワードです。かつてガット・ウルグアイラウンドで日本の農家が見かけ上、不利益を被るときに、何が行われたかというと、莫大な補助金がそこ(農家)に投入されたんですよ。
今日本の農業・農家でなにが起こっているかというと、世代交代なんですよ。
世代交代で若い人たちにバトンタッチをしていかなければならない時に、やっぱり若い子達がこのまま日本の農業大丈夫なのかとの不安を払拭するのに何が必要かというと、金とか機械化なんですよ。
機械化が必要みたいな時の金をTPPに合わせて出してほしいというのが農家の本音なんです。
別に何か自分たちの農業を守るとかじゃなくて金くれなんです。

【高橋氏】
(トランプ大統領が)参議院選と言ったのは安倍総理に金を出す口実を言ってるだけなんです。
だから、参議院選までに手厚い話が出るかもしれません。はっきり言うと、たぶん2~3兆円の話なので、あんまり大した話ではないんだけれど、農家にとっては凄く大きい訳です。そのくらい(2~3兆円)は自由貿易をしてると他のところから税収が上がってきて、そこから賄えるんですよ。
ここで、農業問題は案外簡単なんです。特に政治家はここで選挙前だから言いたくなるんです。そういうのがあるのでトランプ大統領も選挙という訳です。それで、(選挙に合わせて)金を撒ける理由があるだろと安倍総理に言ってるだけなんです。だから、これはwin-winの話でああいう風に言われても安倍総理はうんうんと思ってじゃあ参議院選挙の公約に入れようかという話になるかもしれません。そしたら、農家の多くは不安がなくなるんですよ。要するに最後は 現なま なんですよね。

【須田氏】
しかし、なんでその辺りのことを新聞とかメディアが書かないんでしょうね。

【高橋氏】
煽らないとあれ(売れない)でしょう。
こんなの結構見えててね。自動車も簡単で、自動車関税を高めてしまうとアメリカの中で自動車価格が高くなってしまいます。そうすると、アメリカの有権者の多くが文句を言うんです。だから、価格を高めないように(日本がアメリカに?)輸出規制を少しして、(アメリカの輸入する車の?)数を減らすんですけど、それだとアメリカ国内で車の数がたらなくなるので、たとえばトヨタなんかに直接投資ということで工場を作ってやってくれという答えに大体なるんですよ。
(メディアの)みんなかなり答えは見えてるんです。もちろん、細かい話でいろんな協定はなかなか大変なんだけれども大筋は見えてるから交渉としては比較的楽なんです。だから、後は安倍総理が政治のタイミングでどこでどうやってお金を出そうか考えるだけなんです。
しかし、こんなこと言ったら、新聞なんか書くことがなくなっちゃいます。

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