経済

【有本香氏・石平氏】防衛相 米と会談 サイバー・宇宙での協力加速/日韓 レーダー照射平行線 両国防衛相が非公式会談【虎ノ門ニュース】

【居島氏導入】
「防衛相 米と会談 サイバー・宇宙での協力加速」
共同通信によりますと岩屋毅防衛相は2019年6月4日、アメリカのシャナハン国防長官代行と防衛省で会談し、「新たな戦場」とされるサイバー空間や宇宙といった新領域での協力を加速させる方針で一致しました。ロシアや中国などの台頭が念頭にあると見られます。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に関しては着実に進めるとしました。 会談後、岩屋氏は新領域について「現在の安全保障環境の中で決定的な重要性を持つ分野だ」と記者団に強調したということです。 岩屋防衛相、シャナハン国防長官代行はサイバー分野のセキュリティー確保が重要だとの認識を共有、米国が安全保障上の脅威とする中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の問題が背景にあるとみられます。

「日韓 レーダー照射平行線 両国防衛相が非公式会談」
共同通信によりますと岩屋毅防衛大臣は、訪問先のシンガポールで、韓国の鄭景斗国防相と非公式に会談しました。2018年12月の韓国海軍艦船による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題を巡り、岩屋防衛相が「自衛隊機は適切に飛行していた」と主張し、再発防止を要求。鄭国防大臣はレーダー照射は事実無根だと否定し、議論は平行線に終わったということです。レーダー照射問題後、両氏による会談は初めてです。岩屋氏によると、両氏は約30分間会談、両国関係が悪化の一途をたどる中、改善へ努力する必要性では一致しました。停滞している防衛交流の正常化へ協議を継続すると確認し、北朝鮮の完全非核化に向けた協力を申し合わせました。

【有本氏】
岩屋大臣と韓国国防大臣との会談での態度というのでしょうか、握手の仕方ひとつとっても、非常によろしくないアピールをした(韓国が一方的に行ったレーダー照射に対して怒っていないもしくは重要視していないと韓国に思われる態度)ということで、この虎ノ門ニュースを始め、自民党内からも相当批判が出ています。
この態度は選挙にも関わるじゃないか、いい加減にしろという感じの声が上がってきている状態です。

岩屋大臣はきわめて日本的な態度(相手の不当行為に対してあくまでも融和的な態度)で会談に臨んでいます。それについて、レーダー照射事件の際に自衛隊の統合幕僚長だった河野前統合幕僚長が先だって虎ノ門ニュースに来て頂いた際にお話を頂きました。

日韓の関係が悪くなっているとか、防衛協力の関係ができなくなっているという、日韓の関係不正常の原因はもっぱら韓国側にしかなく、日本側に関係改善にも向けて努力しなければいけないことは何も無い話なので、毅然とした対応をするべきだという旨をおっしゃっていたと思います。

その通りで、お互いに何か良い方向に向けて努力しましょうという事柄ではないので、その意味で今回の会談のもち方が適切な対応だったかという事はちょっと疑問に思います。

【石氏】
防衛大臣は対北朝鮮どうするかとか、日韓の防衛どうするかとか、当然具体的な問題はあります。
しかし、岩屋大臣も含めて日本の政治が往々にして忘れた、一番大事なことは、防衛とはそもそも何ですかという基本的なことです。
防衛とは当然この国を国土・生命・財産を守る。さらにもう一つ大事なことはこの国の尊厳と独立とプライドを全部含めて守ることです。
ということは岩屋大臣が取った態度が相手にどういうメッセージを発信するかというと「日本は自分たちの国のプライドや尊厳を守ることに無頓着で、なめられてもかまわない」というメッセージになっています。そこにきて北朝鮮を見てみると日本は国防も何も無いですよ。幾らでも舐める事ができるんですから。
要するに具体的な問題は別としてあの態度自体が私からすればもう防衛の根幹が台無しになっているんです。この国の政治家がこの国の大事なものを守る意思が無いということです。あそこまで挑発されて侮辱されて、しかもああいう(自衛隊機に対するレーダー照射)韓国の行動1つとっても、韓国がまずそれを改めない限り、もそもそも防衛協力は不可能なはずです。
そういう意味では岩屋大臣のこの行動は、「日本の政治に一番根本のところが欠けている」ということだと思います。
まあ、今更、岩屋大臣(個人の)の批判をする気も無いけどね。

【有本氏】
そうですね。この人(岩屋大臣)の一挙手一投足を批判するつもりは無いです。
しかし、韓国側が今回のレーダー照射に関して特にやってきたことは、もちろん日本側を舐めてるとかそういうこともあるんだけれども、レーダーを照射するということは即命に関わる問題です。
よくシビリアンコントロールといいます。政治家が軍をコントロールすると言う立場に立っているのであれば尚の事、相手が不適切なことをしてきた際には言葉と態度で怒って見せなきゃいけませんよ。
何でもかんでも話し合いをすればうまくいくという問題ではありません。問題は専ら、韓国が起している訳で、日本側に問題は無いわけです。であるなら韓国の問題ある態度を糾弾する、もしくは対談なんか持つ必要が無いですよ。
そういう風に怒っている時には怒っているんだという態度を表明できないのであれば政治家の資格は無いですよ。

【石氏】
現場の自衛官が(大臣の)この態度を見たら、命が危険に晒されたのに自分たちの一番上の防衛大臣が相手にニコニコしている 自分たちは一体どうするんだと いう事になります。現場の自衛官はどういう気持ちですか。

【有本氏】
一番上いに立つ、しかも政治家であるということから考えると二重におかしいですね。
ただ、今回、岩屋大臣のことだけが随分クローズアップされているんですけれども、先週来この日本の安全保障に関わる問題としては私は岩屋大臣の件はうんざりなんで、別の点にちょっと注目しているんですよ。

2019/6/6(木)【虎ノ門ニュース】

ていうのは岩屋大臣たちはシャングリア会合( IISSアジア安全保障会議 )といってシンガポールで会談をしたんですけれども、5月31日だったと思いますがタイのバンコクで実務者の最高レベル同士である会合が行われているんですよ。
この会合は一応非軍事と言われているんですが、
日、米、豪(オーストラリア)、印(インド)の4カ国の戦略対話です。
これを定期的にやっていまして去年(2018年)11月も確か行っています。
これは全然報道されていないんですけど、きわめて重要なものなんですよ。
地図を見て貰うとわかるんですが、この4カ国を結ぶと4角形になるわけです。
4カ国の戦略対話ということで通称クワットと呼ばれます。
この対話をいつから持っているんですかというと2017年からもうすでに12年やってるんですよ。
この対話を最初に提案したのは日本の安倍総理です。要は2000年代に入った時から中国の軍事的脅威が大きくなっているということは周辺国にとってはもうみんな脅威だったんですよ。
この中国の脅威に対して「どういう風に対応していくのか」ということを考えた時に「やはり多国間の枠組みが必要だろう」ということで、日本とインドとオーストラリアとアメリカ、その4カ国で戦略対話という場を持ちましょうという、言ってみればアジア版のNATOですよ。アジア太平洋版のNATOですね。
この構想があって第一次安倍政権の時に非軍事的なと言っているけれども、実際は軍事的なものに格上げしていこうという流れだったんですけれども、マスメディアがこの問題の重要性は一切報道しないまま、とにかく「中国との関係どうなってんだ、中国との関係どうなってんだ」とやり続けました。
しかも、安倍政権はあの当時(2007年)、たとえばアメリカの議会で慰安婦の非難決議をやられたりとかそういうのでたたかれ続けて、こういう日本の安全保障にとって極めて重要で極めて正しい、戦略的な考え方というの物を国際社会に向けて提案をし、実際に実現までしてたんですけど、日本国内で何の評価もされていませんでした。
安倍総理は最後には体調不良もあって退陣しますよね。その直前にインドを訪問してるんです。その際にインドの国会であの当時に二つの海の交わりという演説をしているんです。あれは名演説だといって今(2019年現在)でもインド国内では評価が高いんですよね。
当時インドのマンモハン・シン首相とアメリカは最初はブッシュ政権だったんでブッシュ政権と、日本は安倍政権、オーストラリア(ジョン・ハワード政権)もその当時は感じよく一緒にやろうという事だったんです。
それで、安倍総理が辞める前にインドに行って二つの海の交わりという演説をしました。どういう演説かというと太平洋とインド洋これを結んだエリアで、要するに価値観を共有する国々が一緒に発展していこうということです。つまり、この4カ国というのは中国の脅威を受けているという意味で共通点があると同時に自由な民主主義の国々です。
なので、価値観を共有してこの4カ国は争いをすることなく発展していこうという意味合いがあります。
それでこの演説を高く評価したということを実際にインドのシン首相のブレーンでスピーチライターだった方がいます。私はちょっと親しくさせて貰ってるんですが、サンジャヤバルーさんといって元々経済学者なんです。
この人が、もう「あの時の安倍晋三のあのスピーチはすばらしい」、そして「あれ(二つの海の交わり)がインドの防衛の大きな指針の1つにもなった」また、アメリカが今、インド太平洋軍司令部と言ってますよね。こういう名称になったのも「そもそも安倍総理の提言があってあのプランからなんじゃないの?」という風にさんサンジャヤバルーさんはおっしゃっていました。
でこの考え方ですんなり進んでくれれば良かったのに、オーストラリアがケビン・ラッドというとんでもない親中派の首相になってこの戦略対話から一時離脱するんですよ。そうこうしている内にアメリカはオバマ政権に変わり、日本はその翌年に鳩山政権になりました。
だからこれで一時(この戦略対話が)瓦解しかけるんですよ。
私はこれが2007年に立ち上がって正常に機能していたら南シナ海であそこまで中国にやりたい放題させられなかったと思います。

2019/6/6(木) 【虎ノ門ニュース】 名称追記

【石氏】
痛恨の歴史ですよ。しかし、今はまだ間に合うんです。日本・オーストラリア・インドの3カ国の二つの海の交わるところがどこにあるのかというと南シナ海ですよ。
インドと日本の間につながってる海が南シナ海、オーストラリアと日本がつながっている海も南シナ海です。
要するにこの戦略は明らかに中国の南シナ海への軍事戦略を四方から封じ込めることにあります。
さらにアメリカの海軍力がその中に入れば、本来ならば完璧ですよ。
もし、先ほど有本さんが指摘したようにあの時点(2007年)から着々とやると習近平の出番が無いんですよ。あの地図をもう一度見ると、もし私が習近平ならば背筋が寒くなります。
だから、今、この構想をやれば良いですよ。

2019/6/6(木) 【虎ノ門ニュース】 名称追記分はASEAN諸国

【有本氏】
そうですね。一応第2次安倍政権になってからもう一度建て直されて正常軌道に戻るという常態なんですけれども、2012年の暮れに第2次安倍政権が立ち上がっていて2013年の頭から安部総理も麻生大臣もASEAN(アセアン)に行ってるんです。ASEAN諸国を確か総理も凄いペースで訪問した筈なんですよね。
石さんのおっしゃる様に日本・インド・オーストラリアの中央に南シナ海があるわけなんですけれども、この3ヵ国の三角形を結ぶところにASEAN加盟国10カ国があるわけです。
これが如何に重要だったかという事なんです。つまり地球儀を俯瞰する外交というのはこういう意味なんですよ。
全体を見てその上で中国の脅威に対処するためにどこと、どういう防衛の連携を取るか、同盟とまではなかなか言いにくいけれども、同盟に準ずるような関係を作るかということです。
この4カ国の戦略対話では、非軍事的なとは言っています。
しかし、たとえば、これらの国々が災害が起きたら協力しましょうとか、あるいは海上でのさまざまな取り締まりを協力しましょうなどと言っています。なので、それはもうほとんど軍の出番でしかないんです。

国土地理院地図:青のピンの位置がダーウィン
オスプレー( MV-22B
の航続距離は約3600km

それと、第2次安倍政権が立ち上がって確か1年くらいの時だったと思うんですけど、アメリカがオーストラリアのダーウィンという(オーストラリアの)北側にあるところですけれどもそこに海兵隊を配置したという事態がありました。これも日本でそれほど大きく取り上がられなかったんですけど、これもこの(クワットの)一環なんですよね。ここに海兵隊がいるというのは非常に大きいですよ。これちょっとう上に上がっていったら南シナ海ですからね。

【石氏】
アメリカ海軍もこれから海軍力の60%がこの地域に集まってくるという話です。なので今後もこの体制が着々とできるんです。

【有本氏】
手前味噌ですが、夕刊フジに毎週木曜日に掲載しているコラムにこのことを書きました。
日本とアメリカとインドとオーストラリアの4カ国で合同の4カ国の演習なんかをやると、中国が必ず外交ルートを通じて抗議してくる訳ですよ。で今やもう特に安全保障では中国の嫌がることをやるのが正解です。

【石氏】
しかも、インドの首相(ナレンドラ・モディ)が選挙に勝ったでしょ、オーストラリアも結果的に親中派が吹き返すことはできませんでした。トランプ政権もこのまま再選の可能性が高い、安倍政権も安定しています。習近平がこれを見たら一番嫌でしょうね。

【有本氏】
安倍総理も一応中国との関係も改善するとは一応言ってますけど、一方でこういう姿を見せるということが、まさに戦略的な振る舞いな訳なんです。岩屋大臣がだめなのはこっちが無いじゃないことです。ただひたすら、仲良くし、お互いが努力すれば関係は改善されるっていやいや一方的に関係を壊している人にそんなこと言ったってしょうがないでしょって言う話なんですよね。
ですから、日本のメディアは戦略対話の話題を取り上げないんですけど、できるだけ今後もこの戦略対話でどういうことが話し合われていくかということも機会を捉えてお伝えしたいんです。

その中で、サイバーの問題というのはどんどん重要度を増しているんですよ。ちょっと資料を見せていただけますか。これは外務省のウエブサイト上で見れるんですけれども、戦略対話というのはどういうことを今まで話し合ったりやったりして来てるかということなんですけどね。
一応非軍事といってますけど、この自由で開かれたインド太平洋というところの発展を目指しているわけですよとということです。
地球儀を俯瞰する外交とか、国際協調主義に基づく積極的平和主義とか言ってますけどね。
テロとか大量破壊兵器とか、海賊、災害などこういうことにみんなで共通のルールの下で協力してことに当たっていこうということです。
この共通のルールに則ってというところが中国にとって一番難しいところなんですよ。なんか俺だけ違う行動みたいなことをやらかす人たちなんで。

この自由で開かれたインド太平洋の実現にはアフリカの国などクワットの4カ国やASEANの10カ国以外の国も含まれています。
日本は途上国に対していろんなインフラだとかそういうものを整備することによってこの域内が共に発展していけように活動しています。
また、災害を始めいろいろなことが起きたときに協力体制をとるのにも、それぞれの国の要するにインフラや拠点の整備に差があると難しいじゃないですか。ですから日本はそこにいろんな技術を提供したりして協力してきているということです。ですから、たとえば、ベンガル湾の産業成長とか、いろんなプランに対して日本が協力できることをしています。まあ、日本やアメリカやオーストラリアが協力するという事なんです。
ですから、今頃になって一体一路とか言ってる国がありますけど、日本もとっくに、それの先を行くようなことをいろいろデザインしてやっているんだということです。日本のメディアの中には「いやーなんか習近平の一体一路は凄い、将来と地球を見据えている」とか何とか言ってる様なお馬鹿な人がいますけれども、いやいやいや、という話なんです。
しかも海に向かって開かれている国々の一国として日本がリーダーシップをとってこのような地域の発展それから協力ですね。

【石氏】
これの一番大事なところは、アジア諸国いい選択肢を与えることなんです。選択しを与えないと、いろんな事情で一体一路に走ってしまう。しかし、日本を中心にしてそういったシステムを作り上げるとやっぱりみんな馬鹿じゃないですから、いいところから、ちゃんとした銀行からお金を借りることと闇金から借りるのとどちらが良いか決まってるんですよ。決まってるんだから、誰が好き好んで闇金と付き合うわけがありません。
ただし、銀行が全部無くなって闇金しかないならしょうがないです。
習近平政権のアジア戦略の2つの柱の1つが南シナ海の軍事支配で、もう1つは一体一路です。この2つの戦略を打ち破るあるいは阻止することをすれば中華帝国の膨張が難しくなるんですよ。

【有本氏】
海に迫り出してくる中国というものをどうやって封じ込めるかということなんですよ。でも「中国包囲網みたいなことを安倍総理がやっちゃうから中国の反発を招くんですよ」みたいなことをいう人がいるじゃないですか、しかしこれ封じ込めなくてどうするんですかって話でしょ。

こんな風にしていろんなところの拡張工事とか、港湾の整備、それから離島開発こういうのを行っています。これは4カ国での海洋を中心にしたといって良いんでしょうかね。このインド太平洋地域、まあ、もちろんアフリカまで含むんですけど、こういう構想に基づいて、日本やオーストラリアやアメリカ、まあ、特に日本が協力をしていってると言う事なんです。

【石氏】
それを着々とやっていきますとね、一体一路に入る余地すらなくなりますよ。

【有本氏】
本来無いんですよ。もともと。

【石氏】
一体一路は後はもうどこかでこそこそやるしかないですね。
この種のことをどんどんやっていきますとみんな闇金融に走る必要も全く無いです。
これほど豊富な内容とは私も始めて知りました。

【有本氏】
もちろん日本が世界中でいろんなところに対していろんな援助をしてるということは皆さん漠然をご存知だと思うんですけど、こういう全体構想、日本の連結性構想ですね。これに基づいて日本はいろんなところに技術や資金の提供、援助をしているということなんですよ。
何も闇雲にいろんなところにお金を配っているという話ではありませんという事なんです。

【石氏】
これ見たらアジアに凄く希望が生まれてきますよ。これからアジアがこれで行ったら凄いですね。

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