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【神谷宗幣氏、武田邦彦氏】歴史を科学すると【CGS】①

神谷宗幣氏
今日は歴史のお話ということで、私、今回インタビューするまで、(武田先生の書かれた)ナポレオンと東条英機という本を書かれたのを知りませんでして、今回インタビューするにあたって読ましていただいたら、非常に共感するというか、こう言う視点で書かれたんだって少し嬉しくなりました。
今日はぜひこの本に書かれたような視点で、武田先生の今の若者たちに伝えたい歴史の話をお話頂きたいと思います。

紹介された、武田邦彦氏の著書

武田邦彦氏
まず、この本(ナポレオンと東条英機 )について説明しておきたいですね。それは、東条英機さんは非常に偉い人だったのに、それが全く犯罪人みたいな取り扱いになっています。東条英機さんの骨も、(誰のものか)わからなくなって、絞首刑になった7人の人と一緒に愛知県の山で埋まっているというふうな状態ですね。ところが、一方ナポレオンは、ワーテルローで負けて、セントヘレナ島に流されて、そこで死んだわけですが、ちゃんと立派にフランスの軍人としては 癈兵院 (はいへいいん)(フランス語で)アンバリッドって言うんですけど、そこに棺を納められていて、みんなも必ず英雄のナポレンであると称えています。じゃあ、ナポレオンと東条英機とどう違うのかというようなことを、比較しながら書いている訳ですね。
ナポレオンも18世紀の終わりごろのフランス革命から後ですね、それまで王様が(国を)治めていたのを、革命が起こって、ギロチンで王様が殺されて、そして共和主義が出てきた。その後にナポレオンが登場して、皇帝なんかになったんでいろいろ問題はありますが、いずれにしても非常に大きな影響を(歴史に)与えた。ヨーロッパは19世紀の始め(1800年代の初め)にほとんどの国がフランス革命の影響を受けて、新しい体制になりました。それと、皆さん、余りご存知にないんですが、南アメリカですね。南アメリカが独立したのがほとんどすべて1820年くらいですね。そういう風に世界的にも大きな影響を及ぼしました。それで言ってみれば、王様が治めている世界から、民衆が治める世界へと変わるきっかけを作ったというのがナポレオンですね。しかし、それについては、旧守派が非常に抵抗して、ナポレオンの対仏包囲同盟というのを第7次まで作って、ついにフランスは押し潰されてしまうんですが、しかし、その与えた影響は非常に大きかった。
それに対して日本はどうかというとですね。これは話が非常に長くなってしまうので非常に端折って言えば、世界の中で、16世紀の初めごろから、ヨーロッパの技術が非常に進んで、軍事力が進んで、最初はポルトガルとスペインが地球を半分づつに分けるということになり、アメリカ人(原住民)はすべて殺すとそういうことをやりました。それから、有色人種のところ(国や土地)を(ほとんど)全て植民地にしました。
そんな中、(20世紀前半ごろまで)植民地にならなかった国が、簡単に言うと、4カ国あります。
まず、エチオピア、これはアフリカのエチオピアですが、疫病が余りにも酷く、入っていくとみんな死んでしまうから入っていかない。後にイタリアが占領するわけですがだいたい独立国でした。
次に、タイ、(昔の言い方で)シャムですね。ここはフランスとイタリアの緩衝地帯として残っていきました。西側にビルマとかインドがあって、そこはイギリスの植民地、(東側の)インドシナ半島がフランスの植民地ということで、間にシャムがあって非常に外交上手な王様がおられて、そして独立を保ちました。
それから、中国ですね、中国の独立は非常に特殊で、白人側に寝返ることで独立を保つということで、もちろん中国はずっとその伝統がありますから、当時から日本と戦って、日本との戦いが終わっても、チベット、ウイグル、内モンゴル、満州、ベトナムと戦いました。こう言う風に中国というのは白人とは戦いませんでした。白人と戦わなかった有色人種というのは、中国人と朝鮮人の二つだけなんです。朝鮮は日本に所属しいたから、結局日本と一緒に戦うことになったけれど、民族としては決めたことがない。だから、インドとかインドネシアとかフィリピンとか、そのほかの中東の国もそうですが、白人と戦った国から見れば、中国と朝鮮とはあれは何だといつも寝返ってるじゃないかとなるわけですが、そういう特殊な国です。
そんな中で、白人と戦って独立した国は日本だけで、しかも、第一次世界大戦で日本はドイツを破って、パリ講和条約では、一応、一等国と言う事になりました。それで、ワシントンの軍縮条約でも、10・10・7とか(おそらくワシントン海軍軍縮条約の話で米英:日:仏伊の保有艦の総排水量比率を5:3:1.75に定めた件)そういう風にイギリス、アメリカについで強国であるとして、それなりに国際社会もそれを容認したということですね。しかし、結局は大きな歴史を見ると、(細かい歴史を見るといろいろ言うことはあるんですが)(有色人種の)最後の砦である日本を攻め滅ぼすという流れがあります。この時に共産主義も出てきますから話が複雑になりますが、大きく見れば、結局最後の有色人種の独立国をやっつける。その時、ナポレオンと同じように包囲網が敷かれますね。ABCD包囲網(A:アメリカ、B:ブリテン=イギリス、C:チャイナ=中国、D:ダッチ=オランダ)。チャイナが入っているのは、チャイナは色の白い黄色人種とかそういう感じですからね。

神谷宗幣氏
もともとDNAは一緒なんですよ

武田邦彦氏
だから、そういうこともあって結局、ABCD包囲網同盟と戦う。それで東条英機が首相になる。それで始めて1943年に大東亜会議(有色人種で始めての国際会議)をやって、1919年(パリ講和条約)から、西園寺公望と牧野元外相がやったんですけど、人種平等を言うとそういう点ではですね、後1000年経って、歴史家が整理するとしたら、(この時代には)ナポレオンはいなくて東条英機しかいない。つまり戦後の世界地図を見ればわかるけれど、ほとんどが民族ごとに独立した。つまり、人類が自分たちの国は自分たちでできるということを決定的にしたのが、東条英機なんですね。もちろん、日本国民というか、無名戦士で死んだ人もそうなんですけど、簡単に言うと代表としては東条英機だといえます。余りに功績が大きいから、消そうとして、ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(略称:WGIP)もやり、戦犯というレッテルも貼ったということになりました。このことを第一に今の日本人はよく知って、そこから出発しなければならないということが書いてあるのがこの本ということ。

神谷宗幣氏
もう端的に5分くらいでまとまりましたね。 今回ですが、本当にそうなんですよ。
僕なんか、近現代語るときにはもう、大航海時代が始まって、白人の人たちが何をしてきたのかと、それは秀吉のころにもう来ててですね、当時、本当に幸運にも日本は軍事国家で強かったので、圧倒したわけですよね、スペインもポルトガルも、で1回本国がだめになったんでスペイン・ポルトガルがどっか行くで、イギリスとかオランダとかが狙ってくるけれども当然追い返す。でも、向こうが産業革命が起きて強くなってくると、抗えなくなって開放させられちゃう。少しの間我慢してたけれども、その間に備えて力をつけて1910年代には一等国になるとで人種差別とかおかしいから、新種差別止めようということを世界で言っちゃたら、黄禍論を出されてですね、サルが調子乗ってやがると、みんなで連合してつぶすぞとで中国も使うぞということで、包囲網を作って日本をつぶすという流れです。よく、松岡洋介さんが悪いとか言いますが、(あの時代は)誰がやってたって、国連から追い出されてるんですよ。で孤立させられて、(大東亜戦争で)2年くらいでつぶせると思ったけど、4年以上がんばっちゃうと、だから彼らはもう戦争する前から、日本に勝ったらこういうふうに占領して WGIPで こういうような形にしてやるんだと、だから、もうエネルギーも押さえる、食も押さえる、教育も押さえる、歴史も変えるすべて計画通りやってきて、今の日本があるんだけど、残念ながら今の若い人たちはそういう教育を受けていないから、その前提がわかんないということですよね。

武田邦彦氏
そうですね。日本がどうしてそんなに強かったのかとかいうことも、日本の歴史、僕なんかの言い方では天皇陛下がおられて2階級しかできなかった、天皇陛下という階級と民衆という階級の二つしかできなかったっていいうのが、日本に非常に大きな影響を与えたといえます。非常に話が飛びますけれど、江戸時代の末期に西洋の科学書がどんどん入ってきました。皆さん、杉田玄白の解体新書ってご存知でしょ。次から次から(入ってきた科学書が)日本語に翻訳されるんですよ。それで、アジアの国でヨーロッパの科学書を母国語に訳したのは日本だけです。というのは、ほかの国は階級があって、上部の階級で西洋の知識を独占して、下位を圧迫しようという気持ちがある。ところが、日本は(天皇以外の階級が)一緒だから、だから翻訳も全てしたのだとおもいます。

神谷宗幣氏
日本はピラミット(の支配構造)ではなくて天皇陛下を中心とした円なんですよね

武田邦彦氏
だから、すごく変わった体制を作った、何でこういうアイディアを昔思いついたのか、よくわからないけど、とにかく思いついた。僕は海外でいろいろ経験するとね、やっぱり、日本人に対する概念は少しはヨーロッパ・アメリカ人の中にちょっと日本人だけはえらいかなぁと思う感じは残ってはいます。それはたとえば日本を戦争でこっ酷くやっつけたつもりが、すぐ起き上がってきて、ジャパン・アズ・ナンバーワンになって、しょうがないからサミットにも入れようかいうことで、僕はあんまり白人の中に入るのはいやだけど、まあ、いずれにしても、白人の中で今有色人種で入ってるのは日本人だけですからね。だからなぜそうなったのかとか、日本人がなぜそういった能力を持っているのかっていうことは、僕は平等性だと思うんですよ。だけど、平等性が一番基本にあるとは思うけど、いろいろ考えないといけないと思うんですよね。

【個人の感想】
武田先生の話はいつ聞いても、事の是非はとのかくとして、視点が新しくて面白い。
今回の書き起こしでもっともヒットした一言は神谷さんの
「日本はピラミット(の支配構造)ではなくて天皇陛下を中心とした円なんですよね」
この一言に尽きる。天皇陛下の周りでよりよい明日を迎えるために、今日も仕事がんばろう。

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