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【百田尚樹氏・江崎道朗氏】台湾で中国軍上陸阻止の実弾演習【虎ノ門ニュース】

【居島氏導入】
産経新聞によりますと台湾の国防部は2019年5月30日、中国軍による上陸侵攻を阻止する大規模な実弾演習を実施し、内外メディアに公開しました。
演習は、中国軍が台湾海峡に面した南部・屏東県に、大型の揚陸艦から上陸用舟艇に乗り換えて侵攻してくると想定。F16戦闘機やフリゲート艦、多連装ロケット砲で上陸準備中の沖合を攻撃した後、火砲や攻撃ヘリ、戦車などが接近してくる敵に見立てた目標を順次攻撃し、水際で上陸を阻止する手順を実演しました。
演習には兵員3000人を超える人員が参加し、航空機24機、火砲30門などが参加。厳徳発(げん・とくはつ)国防部長は「中国共産党軍は台湾への武力侵攻を放棄していない。国軍は戦いを求めないが恐れもしない」と訓示しましたとなっております。

【百田氏】
台湾は自力で中国の侵攻を食い止めるんだということを、もちろん訓練ではありますけどこの訓練は中国軍に見せるためのものでもありますね。

【江崎氏】
中国軍に見せるっていうこともあるんですが、それぐらい今の習近平政権が台湾侵攻の計画をかなり具体化させているんですね。
それに対して台湾側は非常に脅威に思っていますし、アメリカ側のトランプ政権の非常に脅威に思って一生懸命にこれ(台湾侵攻計画)に対して対応しています。
実は米軍のOBですね、情報将校のOBで私の友人たちもこれ(台湾での実弾演習)に行ってるんです。
だから、米軍のOBたちもここ(台湾の防衛)に加わりながら、アメリカ・日本・台湾という枠組みの中で、なんとしても、 台湾の自由と繁栄を守っていこうという動き方をしていますね。

【百田氏】
今、江崎さんはちょっと言葉を微妙にぼかされましたけど、OBが行ってると言う事は言外にね。OBだけが参加と言う事は普通はありえない(ので現役の軍人も参加している)ので。
あんまり報道でははっきり言えないところでもありますよね。

【江崎氏】
だけどかなりトランプ政権はこれに対してテコ入れをしていますし、この実弾演習をやっている最中に、台湾の軍の幹部たちって言うかですね、今の総統の関係者が日本に来ています。
私は会って都内で話をしたんですけれども、いざ台湾が本当になったときに武器・弾薬・燃料の補給という観点で日本のバックアップがどうしても必要だと言うことです。
武器・弾薬・燃料の補給をアメリカ本国から運ぶのは間に合わないので、そういう意味では日本の協力がどうしても必要になってくるので、何卒、自由とアジア太平洋の平和って問題について、日本は戦争に負けた後も根本中将たちが台湾の防衛のために協力してきた歴史があるわけだから、その歴史を踏まえて、今こそ改めて日本と台湾・アメリカの三国の連携を強化してもらいたいという話を切々と言っていました。
で、日本は根本中将みたいな立派な人がいるじゃないかみたいな話を彼らが一生懸命にしていました。

【百田氏】
アメリカはここに来て台湾を守るというようなことをどんどんと口にするようになって来ましたね。
ですからアメリカは台湾が中国共産党に飲み込まれたら、東アジアは酷い事になるって言うことをアメリカはよく知っているわけですね。
ですから、先ほど江崎さんがおっしゃったように、今回の実弾演習に関して江崎さんの友人であったアメリカ軍のOBまで参加しているということですね。
これ、皆さんね、微妙なことなんです。OBが参加するということはどういうことかよくお考えください。放送ではここまでしか言えませんけれども、まあ、察してくださいということですね。
当然そのことは中国の共産党も知っているわけですよね。

【江崎氏】
知ってるけど今は言えないですよね。下手に言って、それでなくても米中貿易戦争で揉めている段階で新たな火種を出すわけにはいけないので、中国共産党政権は今のところ黙っています。

【百田氏】
要するに正式に抗議はできない。正式に抗議するとアメリカもちゃんと言わないといけないと言う事になって問題が本格化するという事ですね。

【江崎氏】
問題が本格化すると、ますます習近平政権が追い詰められるので、トランプは非常に戦略的に手を打って台湾防衛のことをやってますよね。
これは非公式な話ですけど、彼らが言ってるのは今までは日本アメリカ、アメリカ韓国で日米韓三国同盟だったんですね。しかし、韓国を外して台湾にしようという動きがあります。

【百田氏】
いわゆる米韓の同盟が下手したらなくなるんじゃないかというウワサもありますね。

【江崎氏】
(米韓同盟を)無くす代わりに台湾を入れようというのがアメリカの中でもそういう議論がずっと出てるんですね。

【百田氏】
そうなってくると、いよいよ台湾が国家として承認される日も近いかも知れませんね。

【江崎氏】
トランプ政権のサイドはそこらへんの条件を裏でやっているかも知れませんよね。
今、劇的にアジアの同盟関係の枠組みが転換されている状況だと思います。

【個人的感想】
江崎さんのおっしゃっている内容で個人的に最も気になったのが実弾演習に参加した米軍のOBが情報将校であるという所です。
私は軍事の素人なので、はっきりわかりませんが、情報将校にOBとか現役とかあるんでしょうか。イメージの情報将校は必要があれば軍籍から離れるし、戸籍も外すし、なんでもありの人だと思います。
何よりもすごいのが、話の流れで非公式とはしながらも台湾の独立および台湾とアメリカの軍事同盟の条件を裏でやっていると匂わせる発言をしています。
混ぜて話すのはどうかと思いますが、情報将校(OB)が台湾に来て、軍事演習に参加しつつ、日本にも訪れて、非公式に日米台での軍事同盟の話をしているとか…。すごい時代になったものです。
もし、台湾を国家として承認するなら、日本は声を大にして台湾を承認すべきでしょう。
台湾が中国になったらシーレーンの危機ですし、そもそも、高砂義勇隊としてともに戦った戦友が仲良くしよう、困っているから助けて言って来て助けないのは人としてどうなのかとも思います。
まあ、もっとも、同じ戦友として戦った韓国は日本に対して戦友としてではなく敵として相対したいようなので困っていたところで助ける気もさらさら起きませんが、台湾は韓国とは違うでしょう。
東日本大震災のときに送ってくれた義援金、戦中に日本のために共に戦ってくれた英雄、地政学的に台湾と手を結ぶことで守られるシーレーンとそこで生じる日本の国益。
どれをとっても台湾と手を結ぶ理由としては十分です。
台湾とアメリカそして日本に幸あれ。

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